映画「ベイビーわるきゅーれ」を何となくハイライトで見返していた。名シーンは多々あるけれど、心を掴んで離さないのは田坂さん(水石亜飛夢)に銃殺で頭を撃つと後始末が大変だからと怒られたちさと(高石あかり)が、「あ、心臓、心臓……」と言いながら一見物わかりよさげに何度も頷くシーン。



殺し屋という少なくとも日本には存在しない(知らないだけかもしれないけど)職業が劇中ではビジネスとして成り立って体系化されており、プロによる殺しには必ず後始末が必要なので清掃担当者がいる。そんな設定にグッとくるし、業界ナンバーワンの殺し屋が縮こまって怒られている姿を見ると激しい死闘のシーンとの差異にやられてしまう。

同作の見所は間違いなくアクションシーンなんだけど、屈強な男たちを次々とやりこめるまひろ(伊澤彩織)が実はあんまり体力がなく、戦闘が終わると「あー疲れた、まじ疲れた……」と息も絶え絶えに呟くところとか、機敏に銃を操るちさとが電話線(充電コード?)があるのを忘れて立ち上がって、テーブルの上にあったものを引き摺って落としそうになるっていうドジなのがバレバレなところとか、死ぬかもしれない戦いの前に2人仲良くいちごの乗ったショートケーキを冷蔵庫に入れて、帰宅したら一緒に食べようと約束するところとか、そういうどこにでも普通に存在しそうな今時の女子である2 人が、実はめちゃくちゃ強いしセンス抜群の殺し屋というギャップがよい。とにかくよい。見てて楽しいし、そもそも人はギャップに弱く設定されているので、ほぼ無意識にときめいてしまう。

「ベイビーわるきゅーれ2」では、そんな2人の日常の続きが描かれている。同じように普段は緩いキャラなのに実は結構殺しの才能があるという兄弟が登場して友情が芽生えるも、ターゲットなので殺さなくちゃいけないというセンチメンタルな展開がある。もちろん最も感情を揺さぶられたのは「そのTシャツかわいいですね」のシーンだし(見てない人は見て)、あのTシャツが欲しくて公式で出してほしいと切実に願ったり(願っただけだけど)するほどに好きで、しばらくこのシーンのことばかり周りの人間に話しまくっていた。

あと、しばらくまひろちさとの真似をして、動きが普段ではありえないくらい機敏になっていた。何をするのでも、いちいち止めと素早さを意識して動くから物にぶつかるし壊すよね。

基本的にアクションを見ない私のような層もうまく捕獲するので、こういうやり方はうまいと思う。3、はよ。

映画「汚れなき祈り」も見る。映像がとても美しいのと、敬虔さと現実の噛みあわなさよ。信仰もしくは信念が行き過ぎると、法というルールが敷かれた現実世界から浮いてしまうが本人たちは気付かない。周りからすると「いや、ありえんでしょそれ」ということでも、信じる心が現実に向き合わないといけない煩わしさを上手く覆い隠してくれるので当人としては楽だし、それを楽だからじゃなく信心だからと言い聞かせると罪悪感もないんだろうなー。そんなことを思った。