映画「BOY A」を見た。以下ネタバレになるので注意です。







ぼーっとリビングで見ていたら家族に「このシーンに見覚えが……」といわれるも、「いや見てないし」と突っぱねて、ラスト近くで視聴2度目なことに気づいた体たらくです。こんにちは。

というのもなんか見るのがだるいときにスマホをつつきながら見るクセがついてしまっていて、最近、2倍速だと他のことしてる余裕がなくなるので集中できることに気付いたんだよね。前回はスマホを思いきり弄りながら見ていてネタバレのラスト近くでようやくちょっと集中して、主人公の過去回想のあたりと懸賞金かけられているシーンで思い出しましたとさ。

主人公のジャックは過去、親友のフィリップと2人で14歳の頃に女の子を殺傷。たぶん直接手を下したのはフィリップの方で、彼は怒りを抑えきれないたち。そして小柄なのに異様に喧嘩に強い。苛められっ子だったジャックはそんな彼と意気投合して仲良くなるけど、残虐な一面に複雑な思いを抱いている。しかもフィリップは日常的に兄から性的虐待を受けていると告白する。あるとき、フィリップを罵った10歳女子を河原に連れ込んで殺してしまう。主人公はそれを止めることができず、結局捕まって10年くらい収容されることに。

出所後、改名して運送会社に務めることに。そこで事務の女の子と恋に落ちたり親友ができたりするんだけど、運命歯車が狂ってしまい過去がバレて追い詰められることに。最後は飛び降りそうとするシーンで終幕。

と、ふと気づいたんだけど、ジャックも切れやすいタイプではある。となると、10歳の女の子殺しに加担していた可能性もあるのか。なおフィリップの子は自殺していて、その理由は謎のまま。

なんか啓蒙映画みたいだなって思った。オチで「こういうことになるから例え未成年だとしても殺人はやめましょう」みたいな教訓に見えた。というか監督や脚本側の思いって、たぶんそういうことを言いたいんだよね? 出所しても改名しても結局罪は消えない、と。まあそのとおりなんだけど。

ただ、ラストで飛び降りず誰かが助けに来るとか死ぬのを思いとどまって別の地へ……みたいになってたらどうだったんだろう。評価が変わっていたのかな。勧善懲悪の世の中だし、特に日本ではこのラストで当然、みたいな意見が多そう。

個人的には、フィリップはケーキ切れないタイプに見えたし、ジャックも授業中の様子から発達障害かネグレク過程の被虐待児ぽく描かれていて、支援が必要な子たちが滑り落ちて幸せもつかめず死んじゃった話に見えた。だからあんまり好きじゃない。とはいえ、ハッピーエンドもなんか違うね。自殺エンドよりは闇のへエンドの方が良かったのでは。そういうことは多いし。

とここまで書いて、ふと調べたら、映画の2人は実際にあった事件をモデルにしていたことに気づいた。ジェームス・バルガー事件

10歳の男児2人が2歳時を惨殺。その後収容され刑期を終えて、改名し、現在犯人の片方は普通に暮らしている。そしておそらくフィリップのモデルとなった方は児ポル法違反で何度も逮捕されているとのこと。あーだから映画の中で自殺させたのか、と納得した。監督の憎しみがにじんだ作品ってことなのね。