映画「月」を見た。
前評判で嫌な予感がしてたんだけど、あまりに酷くて怒りが沸く。原作を無視した「数年前に先天性疾患で子どもを亡くしている中年夫婦」が主人公で、やまゆり園の事件と夫婦が対面する出生前診断とを同列に扱いながら物語が進行するという不快でしかない内容だった。このセンシティブな感覚が一切理解できない人が表面上だけの正義感でつくったんだなとしか感じられなかった。
そもそも出生前診断は母親に与えられた正統な選択肢であり、これは親や子どものためにある。この診断で分かる胎児の疾患は致死性の高いものもあり、生まれても数ヶ月の命で苦しみながら過ごすことになる場合も。たしかに知的障害と形態異常だけの場合で長生きする場合もあるが、NIPTや羊水検査、絨毛検査をしてもその重症度は分からない。なので、陽性だった場合90%は中絶されている。
これを殺戮となぜ同列に考えようと思ったのか。この少子化の中、理解に苦しむ。子育ては親がするものであり国はある程度しか助けてくれない。
心身ともにギリギリな状態で生む人もいる。そんな余裕がない人に殺させない、虐待させないためにも必要なこと。出生前診断は。手がかかる子どもの方が当然ながら虐待される可能性はあがる。これは綺麗事では済まされない話なんだよね。ちゃんと目を向けよう。
既に生まれて施設だろうと日常生活を送っている人の命を奪うことと、胎児に障害があるため育てることが困難で生まれてきても虐待したりあやめたりしてしまう可能性が通常よりも跳ね上がる、もしくは先天性疾患で本人が苦しみながら死ぬしかない状態であることを未然に防ぐこと。
これは同じではない。命は平等に尊いが、現実に目を向けると子育てに向いていない親に多くの子どもが虐待されころされている。
無理はものは無理。親なのだからどんな子どもだとしても命をすり減らして育てるべき、と“体ばかりが丈夫で想像力の乏しい発言力のある層”が声高に叫んできた結果なのだけどね、少子化は。
この映画に母親たちは怒っていいと思う。絶対的なNOを突き付けていいと思う。結論として主人公は出生前診断と殺戮は違うと涙ながらに訴えるシーンもあるけど、その先には出生前診断への批判がうっすら透けて見えるから不快。この題材で引っ張り出してくるようなネタではない。
世界に目を向けると出生前診断が保険適用されている国は結構ある。日本でも適用したほうがいいと思うよマジで。
あと出てくる主要キャラの人物像もどれも最悪だった。妻を「師匠」と呼ぶ夫。気持ちが悪すぎる。死んだ子どもの墓で、妻の妊娠を知らされ大声で叫ぶ夫も非常に気持ちが悪い。あと二階堂ふみ演じるクリスチャンの女。言っていいことと悪いことの区別がつかなさ過ぎる異常者、本当に不快。夢を追い続けて働かない夫に切れる主人公も大丈夫? 働かせたらええやん。元人気作家の主人公も「こんな仕事しか」ないっていうけど、いや、いろいろあるでしょ仕事……。マンション管理士は国家資格で難易度高いんだけど、作品しか作ってこなかったってキャラがそんな資格持ってたの? ってなったし。まず脚本につっこまざるをえなくて疲弊した。ここ数年のぶっちぎりワーストです。
前評判で嫌な予感がしてたんだけど、あまりに酷くて怒りが沸く。原作を無視した「数年前に先天性疾患で子どもを亡くしている中年夫婦」が主人公で、やまゆり園の事件と夫婦が対面する出生前診断とを同列に扱いながら物語が進行するという不快でしかない内容だった。このセンシティブな感覚が一切理解できない人が表面上だけの正義感でつくったんだなとしか感じられなかった。
そもそも出生前診断は母親に与えられた正統な選択肢であり、これは親や子どものためにある。この診断で分かる胎児の疾患は致死性の高いものもあり、生まれても数ヶ月の命で苦しみながら過ごすことになる場合も。たしかに知的障害と形態異常だけの場合で長生きする場合もあるが、NIPTや羊水検査、絨毛検査をしてもその重症度は分からない。なので、陽性だった場合90%は中絶されている。
これを殺戮となぜ同列に考えようと思ったのか。この少子化の中、理解に苦しむ。子育ては親がするものであり国はある程度しか助けてくれない。
心身ともにギリギリな状態で生む人もいる。そんな余裕がない人に殺させない、虐待させないためにも必要なこと。出生前診断は。手がかかる子どもの方が当然ながら虐待される可能性はあがる。これは綺麗事では済まされない話なんだよね。ちゃんと目を向けよう。
既に生まれて施設だろうと日常生活を送っている人の命を奪うことと、胎児に障害があるため育てることが困難で生まれてきても虐待したりあやめたりしてしまう可能性が通常よりも跳ね上がる、もしくは先天性疾患で本人が苦しみながら死ぬしかない状態であることを未然に防ぐこと。
これは同じではない。命は平等に尊いが、現実に目を向けると子育てに向いていない親に多くの子どもが虐待されころされている。
無理はものは無理。親なのだからどんな子どもだとしても命をすり減らして育てるべき、と“体ばかりが丈夫で想像力の乏しい発言力のある層”が声高に叫んできた結果なのだけどね、少子化は。
この映画に母親たちは怒っていいと思う。絶対的なNOを突き付けていいと思う。結論として主人公は出生前診断と殺戮は違うと涙ながらに訴えるシーンもあるけど、その先には出生前診断への批判がうっすら透けて見えるから不快。この題材で引っ張り出してくるようなネタではない。
世界に目を向けると出生前診断が保険適用されている国は結構ある。日本でも適用したほうがいいと思うよマジで。
あと出てくる主要キャラの人物像もどれも最悪だった。妻を「師匠」と呼ぶ夫。気持ちが悪すぎる。死んだ子どもの墓で、妻の妊娠を知らされ大声で叫ぶ夫も非常に気持ちが悪い。あと二階堂ふみ演じるクリスチャンの女。言っていいことと悪いことの区別がつかなさ過ぎる異常者、本当に不快。夢を追い続けて働かない夫に切れる主人公も大丈夫? 働かせたらええやん。元人気作家の主人公も「こんな仕事しか」ないっていうけど、いや、いろいろあるでしょ仕事……。マンション管理士は国家資格で難易度高いんだけど、作品しか作ってこなかったってキャラがそんな資格持ってたの? ってなったし。まず脚本につっこまざるをえなくて疲弊した。ここ数年のぶっちぎりワーストです。