メネンデス兄弟関連のドラマとかドキュメンタリーを見た。Netflix。

1989年に両親を射殺したことで終身刑となった兄弟。現場となった自宅はビバリーヒルズで、父親は典型的な成功者&会社経営者。兄弟もいわゆるエリートで清潔感のある俳優レベルのイケメンだったこともあり、当時かなり注目されたらしい。

というわけでまずはドラマを見てみたんだけど、めちゃくちゃおもしろかった。完全に現代版藪の中。リアルにあった事件を題材にしているのに真実が本当に分からないように描かれていて、実際そうなんだろうなという感じ。そわそわしながら見たけど、真実は闇の中。パパ死んじゃってるからね。ただ、兄のライルが良い感じのソシオパスで頭が切れるから、実際には……? と思いながらドキュメンタリーも視聴。

すると。何と当時は男性への性的虐待による精神的な後遺症が認められていなかったこともあり裁判ではかなり不利になったらしく、現代において兄弟への性的虐待は認定されていて、SNSを中心に彼らの釈放が声高く叫ばれていると語られていた。まじか。たしかに10月に2人の釈放命令が出たとかいうニュースがあったけど、ほんとに?

人って過去のことを思い出す際には視線が自然と左下に寄るんだよね。だけどドキュメンタリーで見た兄弟の視線は左より右にちらちらよっていたなっていうのが気になったのと、あんなに緊張する場面でわりと裁判官とか弁護士の方をまっすぐ揺らぎなく見ていたりする。

あと、嘘には真実を含ませるとリアリティがでるってのは鉄則なんだけど、殴る蹴る程度の暴力は受けていたとして本当に性的虐待を受けていたんだろうかとういう疑問をどうしても抱いてしまった。こう表情とか状況とか……。ドラマの方はそういう疑問を持つ人があまりに多かったことから(実際に裁判で負けた理由もそこ)視聴者にそう思わせる演出があった。だからそういう印象を持った。

ただ彼らが被虐待児であることが認定されているのなら、それがもう真実なのだし、司法としてはそれが真相なのだから外野があれこれ詮索することでもない。彼らは悲惨な幼少期を過ごして身の危険を常日頃から感じていた。これが真実なのだろう。

なお収容されてからの兄弟は、弟エリックは芸術的な才能を開花させ、ライルは自分と同じように虐待された人たちのカウンセリングをしたり手助けをしたりと活躍している。本当に素晴らしい。今のライルの笑顔は晴れやかだった。