映画「名もなき復讐」を見た。
射撃の選手として将来を嘱望されていた主人公。クラスメイトの不良たちのせいで交通事故にあって両親が死亡。本人も言語障害が残る。数年後、うまく声をあげられないことで狙われ輪姦されるが、警察ではかなりひどい扱いを受けて被害届を受理してくれない。同日、レイプ犯のうちの一人が身分証を拾ったと自宅にやってきて再び被害を受けるが反撃して殺してしまう。そこから結局いろいろあって数人殺してしまい……。
なんというか、韓国ってキラキラしているアイドルたちの光に隠れるように陰惨な事件とか貧困の現実とかあるよね。病気による不幸もしかり。被害届けがまともに出せないのは日本も同じだけど、それにしてもあの刑事の態度はひどい。何があっても殺しはアウトっていう人はたくさんいるけど、やられて当然な人ってけっこう世の中にいるよ。
最後はつまり、レイプ犯に肝臓が移植されるのを防いだってことなのかな。でも、心停止後も移植できるよね。ずっと籠城して使えなくなるようにしたってこと? ちょっと描写が不足しているようには感じた。
*
映画「先生の白い嘘」も見た。原作は8巻分あるので、映画は全然足りてない。
脚本家の先生は過去に名作ドラマを書いていたので期待してたんだけどな。
美奈子が普通の人になってたの残念すぎる。ただ、演じてた三吉彩花はこの映画で一番うまかった。あんなに演技がうまい女優だとは知らなかった。今後に期待。
この話は、性被害を被害として受け入れられず傷つき続けている人たちの話。
被害としなければ傷つかないでしょ、という早藤の言葉が全て。
そんなわけないんだよ。傷ついているよ。皆。
加害者が、へらへら笑いながら力ずくで手籠めにしながらも「笑ってやっている」と語気を強めながら威圧してなかったことにする。そうやって泣くことすら奪われてきた人が日本には何万人もいる。クソみたいな法律のせいで。改正されてよかった。本当に。
でも改正前の事件だから、改正後だったら明らかに有罪になるような事件の無罪判決が出ていてぞっとした。彼らは、普通の社会人として生活していくんだろうか。結婚して、子どもをもって? その子どもは女の子かもしれないのに? 正気?
映画はインティマシーコーディネーターの話で悪目立ちした。ICをいろいろ口突っ込んでくる面倒な存在、だと監督は思ってたのかな。残念だね。主演の奈緒は目指したい女優像があるんだろうけれど、このまま映画界に好きなように食いつぶされないように願ってる。すごく雰囲気があってよい女優なので。
風間くんは昔ドラマで演じた少年A役がとても良かった。あと初恋ざらりも良かったね。でも、早藤を演じるには圧倒的に身長が足りない。美奈子が華奢で小さくて、早藤はがたいが良くて女性に威圧感をあたえるほどの身長でないと、あの物語は分かりづらくなってしまう。美鈴もできれば一重であってほしかった。持ってる人間と持ってない人間。そこからスタートしているのだから。
*
映画「熱のあとに」はとても楽しみにしていた映画。
題材はすごく好きだったんだけど、いかんせんご都合主義的な展開が多すぎて残念だった。橋本愛はなんか最近神がかっているのだけれど。Daisuke Tanakaがマジで似合うよねえ。令和版神話に出てきそうな女神って感じ。
さて。映画は好きすぎて担当ホストを刺し殺そうとして、殺人未遂で懲役くらった女の子のその後の話。数年収容されていてもホストの呪いは解けなかったようだけど、いるのが当たり前になっていた存在の死を突きつけられて変われそう、みたいな流れ。いいね、人間ぽくて。
ストーリー展開は好きなんだよ。ただ、なんで都合よくホストの妻が現れるんだよ。あとなんで都合よく離婚して都合よく誘われて、お誂え向きといわんばかりのプラネタリウムで再会なの。寓話っぽいから好きって人は好きだと思うけど、ちょっと作られすぎて残念だった。
ただし、人間の人に対する残酷さはよく描かれてた。人って大事な人とどうでもいい人を明確にラインを引いて分けてるよね。なのに社会で生きてく上で表情にも口にも出さない。でも、ああいう生とか死とかが絡んでくる局面で、その本心は簡単にあらわになる。自分でも気付いてないような。
主人公の夫が同僚女子をどうでもいいと思ってたのってすごく象徴的だよね。主人公も夫のことをどうでもいいと思ってた。都合がいいから一緒にいるだけ。でも、こっちは局面に立って、どうでもいい存在じゃなかったって気付く。いい話だなー。
なお、主人公のモデルとなった子はYouTuberになっていて、刺された方は相変わらずホストなのかな。どっちが悪いのかなあ。刺されるようなことする方がまず悪いんだけどね、原因作ってるわけだし。ホワイトサイコパスの類だと思うんだけど、人をコントロールするなら上手にやらなくちゃ。じゃないとやられるのは自分。どう考えても水商売+パパ活の金吸い上げて投資してもらうほどのもん、自分はあげられてなかったでしょうよ。下手すぎ。
女の子の方は、もうホストにハマらず幸せに生きてほしい。せっかくかわいく生まれたんだし。経験をかてに図太く図々しく生きていってほしい。
そうそうホストが与える経験ってバタイユでいう神秘体験に近いと思うだけど、この場合はうまく作られた疑似神秘体験とでも言いましょうか。たしかにいろんな脳内物質がでまくってトリガーにはなる。薬と一緒。でもその先はない。気づくことも知ることもない。ただ、空の経験が一瞬与えられて終わり。あれ? って思うから繰り返すのだろうけど。
それでもいいって腹くくった子か、結婚までもってけるガチのエースだけが生き残れる戦場。分からずにずっと求め続けると、戦場は地獄でしかないからね。
射撃の選手として将来を嘱望されていた主人公。クラスメイトの不良たちのせいで交通事故にあって両親が死亡。本人も言語障害が残る。数年後、うまく声をあげられないことで狙われ輪姦されるが、警察ではかなりひどい扱いを受けて被害届を受理してくれない。同日、レイプ犯のうちの一人が身分証を拾ったと自宅にやってきて再び被害を受けるが反撃して殺してしまう。そこから結局いろいろあって数人殺してしまい……。
なんというか、韓国ってキラキラしているアイドルたちの光に隠れるように陰惨な事件とか貧困の現実とかあるよね。病気による不幸もしかり。被害届けがまともに出せないのは日本も同じだけど、それにしてもあの刑事の態度はひどい。何があっても殺しはアウトっていう人はたくさんいるけど、やられて当然な人ってけっこう世の中にいるよ。
最後はつまり、レイプ犯に肝臓が移植されるのを防いだってことなのかな。でも、心停止後も移植できるよね。ずっと籠城して使えなくなるようにしたってこと? ちょっと描写が不足しているようには感じた。
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映画「先生の白い嘘」も見た。原作は8巻分あるので、映画は全然足りてない。
脚本家の先生は過去に名作ドラマを書いていたので期待してたんだけどな。
美奈子が普通の人になってたの残念すぎる。ただ、演じてた三吉彩花はこの映画で一番うまかった。あんなに演技がうまい女優だとは知らなかった。今後に期待。
この話は、性被害を被害として受け入れられず傷つき続けている人たちの話。
被害としなければ傷つかないでしょ、という早藤の言葉が全て。
そんなわけないんだよ。傷ついているよ。皆。
加害者が、へらへら笑いながら力ずくで手籠めにしながらも「笑ってやっている」と語気を強めながら威圧してなかったことにする。そうやって泣くことすら奪われてきた人が日本には何万人もいる。クソみたいな法律のせいで。改正されてよかった。本当に。
でも改正前の事件だから、改正後だったら明らかに有罪になるような事件の無罪判決が出ていてぞっとした。彼らは、普通の社会人として生活していくんだろうか。結婚して、子どもをもって? その子どもは女の子かもしれないのに? 正気?
映画はインティマシーコーディネーターの話で悪目立ちした。ICをいろいろ口突っ込んでくる面倒な存在、だと監督は思ってたのかな。残念だね。主演の奈緒は目指したい女優像があるんだろうけれど、このまま映画界に好きなように食いつぶされないように願ってる。すごく雰囲気があってよい女優なので。
風間くんは昔ドラマで演じた少年A役がとても良かった。あと初恋ざらりも良かったね。でも、早藤を演じるには圧倒的に身長が足りない。美奈子が華奢で小さくて、早藤はがたいが良くて女性に威圧感をあたえるほどの身長でないと、あの物語は分かりづらくなってしまう。美鈴もできれば一重であってほしかった。持ってる人間と持ってない人間。そこからスタートしているのだから。
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映画「熱のあとに」はとても楽しみにしていた映画。
題材はすごく好きだったんだけど、いかんせんご都合主義的な展開が多すぎて残念だった。橋本愛はなんか最近神がかっているのだけれど。Daisuke Tanakaがマジで似合うよねえ。令和版神話に出てきそうな女神って感じ。
さて。映画は好きすぎて担当ホストを刺し殺そうとして、殺人未遂で懲役くらった女の子のその後の話。数年収容されていてもホストの呪いは解けなかったようだけど、いるのが当たり前になっていた存在の死を突きつけられて変われそう、みたいな流れ。いいね、人間ぽくて。
ストーリー展開は好きなんだよ。ただ、なんで都合よくホストの妻が現れるんだよ。あとなんで都合よく離婚して都合よく誘われて、お誂え向きといわんばかりのプラネタリウムで再会なの。寓話っぽいから好きって人は好きだと思うけど、ちょっと作られすぎて残念だった。
ただし、人間の人に対する残酷さはよく描かれてた。人って大事な人とどうでもいい人を明確にラインを引いて分けてるよね。なのに社会で生きてく上で表情にも口にも出さない。でも、ああいう生とか死とかが絡んでくる局面で、その本心は簡単にあらわになる。自分でも気付いてないような。
主人公の夫が同僚女子をどうでもいいと思ってたのってすごく象徴的だよね。主人公も夫のことをどうでもいいと思ってた。都合がいいから一緒にいるだけ。でも、こっちは局面に立って、どうでもいい存在じゃなかったって気付く。いい話だなー。
なお、主人公のモデルとなった子はYouTuberになっていて、刺された方は相変わらずホストなのかな。どっちが悪いのかなあ。刺されるようなことする方がまず悪いんだけどね、原因作ってるわけだし。ホワイトサイコパスの類だと思うんだけど、人をコントロールするなら上手にやらなくちゃ。じゃないとやられるのは自分。どう考えても水商売+パパ活の金吸い上げて投資してもらうほどのもん、自分はあげられてなかったでしょうよ。下手すぎ。
女の子の方は、もうホストにハマらず幸せに生きてほしい。せっかくかわいく生まれたんだし。経験をかてに図太く図々しく生きていってほしい。
そうそうホストが与える経験ってバタイユでいう神秘体験に近いと思うだけど、この場合はうまく作られた疑似神秘体験とでも言いましょうか。たしかにいろんな脳内物質がでまくってトリガーにはなる。薬と一緒。でもその先はない。気づくことも知ることもない。ただ、空の経験が一瞬与えられて終わり。あれ? って思うから繰り返すのだろうけど。
それでもいいって腹くくった子か、結婚までもってけるガチのエースだけが生き残れる戦場。分からずにずっと求め続けると、戦場は地獄でしかないからね。