WOWOWでドラマ「東京貧困女子。」がスタート。主人公の編集者役は趣里。貧困女子たちを取材するライターは三浦貴大。今のところTverでの配信はないのかな。そのうちu-nextで来たらいいなと思いつつ。YouTubeで1話まるごと配信されていたので見てみた。なお、原作はノンフィクション作家中村淳彦の『東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか』。
第1話では、難関の国立大学医学部に通いながら貧困ゆえに風俗とパパ活でわずかな金銭を稼ぐ女子を取材。実家暮らしでありながらも世帯収入が少なく、国立といえど学費や教材費などがかかり、勉強も忙しく留年できる立場でもないため普通のアルバイトでは追いつかず、風俗とパパ活をせざる得ないという。また、どうしてもしたかったというテニスの部活をしており、これにも金がかかる、と。原作でもドラマの中でもルポが発表されると、たちまちパッシングされ、多くの批判や誹謗中傷が寄せられる事態に──という流れ。
ドラマを見る限り、取材したライター(三浦貴大)のスタンスが1話ではまだ分かりづらかった。貧困になるには理由がある、という主張なのか、貧困させるような環境に問題があるという描かれ方なのか。どちらかというと前者なのかなと思いながら見ていたが、原作を読むにどうやら著者である中村の主張は後者のようだった。
医学部生であればやりようはいくらでもあり、実際に国立大医学部や東大に進学した同級生らは一人暮らしをしながら家庭教師で稼いでやりくりしていたし、彼らの時給は聞いたところ5000円とか7500円とかだった(結構前の話だから今はもっと良いと思う)。家庭教師でなくても、居酒屋とかコンビニとかそういう肉体労働系のアルバイトではなく頭脳労働系のアルバイトはかなりあって、少し要領がよければ短時間で稼ぐことができるのではないかと感じた。株に本格的にハマってアルバイト程度の金を器用にコンスタントに稼いでいた人もいた。ライター業でちょっとしたグルメ記事とかルポとか書いてアルバイト以上を稼ぐ友人もいた。翻訳のバイトをしていた人もいたし、イベント運営の手伝いとかも。ただ正直、そんな友人たちは実家が太かったり人脈が豊富だったりして、転んでもダメージが少ないという心の余裕が稼ぐことへの豊富な想像力に繋がっていたのかもしれないと今なら思う。
成績は日本でもトップクラスの優秀さでルックスも抜群に良いのに、どうやって稼いだらいいのか分からず、普通のバイトか風俗・パパ活かという極端な選択肢しかなかった彼女を責めたり批判するのはお門違いだというのが本作の主旨である。要領の良し悪しはたとえ勉強ができて努力ができて難関大学に進学できたとしても、誰しもが備えているものではない。
また、第1話の医学生は歩くだけで周りの人が振り向くほどの美少女だと原作にあった。彼女は自分の容姿のレベルはこれまでの環境から理解していただろうし、それを利用しない手はないと頭のどこかで思ったのだろうと思う。ただし、生理的嫌悪と天秤にかけてライトなサービスならいけるかな、それで短時間で稼ぐことができるのならと思ったのではないか。そこで思考停止したのだろうとも思う。
そもそも将来医者になる人間がパパ活をするのはかなりリスキーだ。医者になってから過去をネタに恐喝される可能性を考えなかったのだろうか。勉強やバイトの日々で周りとの経済的格差にも疲れ果てて、正常な判断ができない状況なんだろうな……とドラマを見ていて感じた。
世の中には風俗業に従事することに全く抵抗のない人や、ハードルが低い人が結構いる。普通(と書いておいて普通とは何だっけとも思うけど)は見知らぬ男性もしくは女性と性行為をすることに抵抗がある人がほとんどだ。しかし、この抵抗と得られる金銭を天秤にかけたときに抵抗感が吹き飛ぶ人はいるし、最初からあまり抵抗がなく人が好きだったり逆に人が嫌いすぎて乖離状態となって何をされても平気だというタイプもいる。あとは、長時間拘束されて手とり13万円ほどの給与なら、同じ時間風俗で働いて30万円~50万円ほどもらえるほうがいいという人も。親が風俗嬢だったので、稼げるのなら別にいいや、という人もいるし、漫画家の峰なゆかの自伝漫画『AV女優ちゃん』にあるように思春期から性=遊びやゲームという感覚で、性的なことを「大好きな人とする神聖な儀式」だとは1ミリたりとも思っておらず、むしろそれで楽しめたり稼げたらラッキーだという人もいる。
よく風俗業を目の敵にして壊滅に追いやろうとしているフェミニストを見かけるが、本当にそれくらいしか仕事ができない女子はかなりいる。前述したような感覚の持ち主で、パパ活しなかったら生活保護を受けるしかないというタイプは世間の想像の何十倍もいる。彼女たちはコミュニケーション能力があまり高くなく、長時間拘束されて毎日同じことを定時から定時にこなすことに強い苦痛を感じる。会社勤めの人でも苦しさはあるだろうし、皆つらい思いをして毎日働いているが、その何十倍も何百倍も苦痛に感じて、何の不幸か従事したとしたら途端に身体症状が出て動けなくなってしまうのが彼女たちだ。これはわがままでなくその人が持ち得た生まれつきの性質だ。逆に、1日8時間売春してくださいと言われてものすごい苦痛を感じることが容易に想像できるのなら、彼女たちはその逆で売春の方が「しんどくない」のだ。
そもそも、めちゃくちゃ稼げると思われがちな風俗だが、サービス料金の半額から6割ほどが彼女たちの手とりだとしたら、かなりを数をこなさないと高額収入とはならない。体が強く何回洗っても平気な強い肌を持っていないと稼げない。容姿の良さや若さは最低限備えていないと話にならない。不美人でも愛嬌があったり賢かったら稼げると思いがちだが、『闇金ウシジマくん』の瑞樹さんなんてそういない。だから年を取ると、よほど美しいとか特技があるとかハードどころじゃないサービスに耐えられるとかそういう特殊技能を備えている人じゃないと続けられない。
話を戻して、第1話の医学生は将来的に医者になるのだから年収の平均は1500万円ほどかな。少なくても1000万ほど。奨学金をフルで借りていても他職業より返済は楽だろう。風俗についてはまあ医学生でもやっている人はたまに聞くのでありだとしても、パパ活は下手したら刃傷沙汰に発展しかねないリスキーな選択肢で、将来的な見通しができないほど疲れ張っているのだなと感じた。
部活動については、それによって売春せざるを得ない状況になっていてつらくてしょうがないのなら、我慢するという手もあったはずだと思う。でも、すべきじゃないとは言えない。大学時代の部活動という時間は、もう二度と戻ってこない。ただし恋人に売春がバレたときは手痛い思いをする可能性は高い。従事する女性と同じで平気だという男性もいる一方で、大多数の男性は現在はもちろんのこと過去も風俗や売春をした経験のある女性に抵抗感がある。これは本能的なものでしょうがない。そういうことに直面したときにまた、自分の選択肢を恨むのではないか。風俗や売春は、それをしていたことを責められたり嫌がられたりしても「お金を稼ぐために必要だった」と後悔しない人や、前述したように“それしかできない人”だけしかすべきでないと思う。難しいけどね。
第1話では、難関の国立大学医学部に通いながら貧困ゆえに風俗とパパ活でわずかな金銭を稼ぐ女子を取材。実家暮らしでありながらも世帯収入が少なく、国立といえど学費や教材費などがかかり、勉強も忙しく留年できる立場でもないため普通のアルバイトでは追いつかず、風俗とパパ活をせざる得ないという。また、どうしてもしたかったというテニスの部活をしており、これにも金がかかる、と。原作でもドラマの中でもルポが発表されると、たちまちパッシングされ、多くの批判や誹謗中傷が寄せられる事態に──という流れ。
ドラマを見る限り、取材したライター(三浦貴大)のスタンスが1話ではまだ分かりづらかった。貧困になるには理由がある、という主張なのか、貧困させるような環境に問題があるという描かれ方なのか。どちらかというと前者なのかなと思いながら見ていたが、原作を読むにどうやら著者である中村の主張は後者のようだった。
医学部生であればやりようはいくらでもあり、実際に国立大医学部や東大に進学した同級生らは一人暮らしをしながら家庭教師で稼いでやりくりしていたし、彼らの時給は聞いたところ5000円とか7500円とかだった(結構前の話だから今はもっと良いと思う)。家庭教師でなくても、居酒屋とかコンビニとかそういう肉体労働系のアルバイトではなく頭脳労働系のアルバイトはかなりあって、少し要領がよければ短時間で稼ぐことができるのではないかと感じた。株に本格的にハマってアルバイト程度の金を器用にコンスタントに稼いでいた人もいた。ライター業でちょっとしたグルメ記事とかルポとか書いてアルバイト以上を稼ぐ友人もいた。翻訳のバイトをしていた人もいたし、イベント運営の手伝いとかも。ただ正直、そんな友人たちは実家が太かったり人脈が豊富だったりして、転んでもダメージが少ないという心の余裕が稼ぐことへの豊富な想像力に繋がっていたのかもしれないと今なら思う。
成績は日本でもトップクラスの優秀さでルックスも抜群に良いのに、どうやって稼いだらいいのか分からず、普通のバイトか風俗・パパ活かという極端な選択肢しかなかった彼女を責めたり批判するのはお門違いだというのが本作の主旨である。要領の良し悪しはたとえ勉強ができて努力ができて難関大学に進学できたとしても、誰しもが備えているものではない。
また、第1話の医学生は歩くだけで周りの人が振り向くほどの美少女だと原作にあった。彼女は自分の容姿のレベルはこれまでの環境から理解していただろうし、それを利用しない手はないと頭のどこかで思ったのだろうと思う。ただし、生理的嫌悪と天秤にかけてライトなサービスならいけるかな、それで短時間で稼ぐことができるのならと思ったのではないか。そこで思考停止したのだろうとも思う。
そもそも将来医者になる人間がパパ活をするのはかなりリスキーだ。医者になってから過去をネタに恐喝される可能性を考えなかったのだろうか。勉強やバイトの日々で周りとの経済的格差にも疲れ果てて、正常な判断ができない状況なんだろうな……とドラマを見ていて感じた。
世の中には風俗業に従事することに全く抵抗のない人や、ハードルが低い人が結構いる。普通(と書いておいて普通とは何だっけとも思うけど)は見知らぬ男性もしくは女性と性行為をすることに抵抗がある人がほとんどだ。しかし、この抵抗と得られる金銭を天秤にかけたときに抵抗感が吹き飛ぶ人はいるし、最初からあまり抵抗がなく人が好きだったり逆に人が嫌いすぎて乖離状態となって何をされても平気だというタイプもいる。あとは、長時間拘束されて手とり13万円ほどの給与なら、同じ時間風俗で働いて30万円~50万円ほどもらえるほうがいいという人も。親が風俗嬢だったので、稼げるのなら別にいいや、という人もいるし、漫画家の峰なゆかの自伝漫画『AV女優ちゃん』にあるように思春期から性=遊びやゲームという感覚で、性的なことを「大好きな人とする神聖な儀式」だとは1ミリたりとも思っておらず、むしろそれで楽しめたり稼げたらラッキーだという人もいる。
よく風俗業を目の敵にして壊滅に追いやろうとしているフェミニストを見かけるが、本当にそれくらいしか仕事ができない女子はかなりいる。前述したような感覚の持ち主で、パパ活しなかったら生活保護を受けるしかないというタイプは世間の想像の何十倍もいる。彼女たちはコミュニケーション能力があまり高くなく、長時間拘束されて毎日同じことを定時から定時にこなすことに強い苦痛を感じる。会社勤めの人でも苦しさはあるだろうし、皆つらい思いをして毎日働いているが、その何十倍も何百倍も苦痛に感じて、何の不幸か従事したとしたら途端に身体症状が出て動けなくなってしまうのが彼女たちだ。これはわがままでなくその人が持ち得た生まれつきの性質だ。逆に、1日8時間売春してくださいと言われてものすごい苦痛を感じることが容易に想像できるのなら、彼女たちはその逆で売春の方が「しんどくない」のだ。
そもそも、めちゃくちゃ稼げると思われがちな風俗だが、サービス料金の半額から6割ほどが彼女たちの手とりだとしたら、かなりを数をこなさないと高額収入とはならない。体が強く何回洗っても平気な強い肌を持っていないと稼げない。容姿の良さや若さは最低限備えていないと話にならない。不美人でも愛嬌があったり賢かったら稼げると思いがちだが、『闇金ウシジマくん』の瑞樹さんなんてそういない。だから年を取ると、よほど美しいとか特技があるとかハードどころじゃないサービスに耐えられるとかそういう特殊技能を備えている人じゃないと続けられない。
話を戻して、第1話の医学生は将来的に医者になるのだから年収の平均は1500万円ほどかな。少なくても1000万ほど。奨学金をフルで借りていても他職業より返済は楽だろう。風俗についてはまあ医学生でもやっている人はたまに聞くのでありだとしても、パパ活は下手したら刃傷沙汰に発展しかねないリスキーな選択肢で、将来的な見通しができないほど疲れ張っているのだなと感じた。
部活動については、それによって売春せざるを得ない状況になっていてつらくてしょうがないのなら、我慢するという手もあったはずだと思う。でも、すべきじゃないとは言えない。大学時代の部活動という時間は、もう二度と戻ってこない。ただし恋人に売春がバレたときは手痛い思いをする可能性は高い。従事する女性と同じで平気だという男性もいる一方で、大多数の男性は現在はもちろんのこと過去も風俗や売春をした経験のある女性に抵抗感がある。これは本能的なものでしょうがない。そういうことに直面したときにまた、自分の選択肢を恨むのではないか。風俗や売春は、それをしていたことを責められたり嫌がられたりしても「お金を稼ぐために必要だった」と後悔しない人や、前述したように“それしかできない人”だけしかすべきでないと思う。難しいけどね。