映画「愛のように感じた」を見た。

イケてるグループにいるけどまだ彼氏がいたことのない主人公が、積極的に彼氏を作っちゃあ別れてを繰り返してる若干遊び人な親友の元彼氏のことを好きになったように感じて構ってもらおうとする話。

って書くとなんかかわいいストーリーの思えるけど、そうじゃなくて10代のめっちゃ複雑な心境を鮮やかに描き出した秀作だった。びっくり。

というのも、主人公が結局その親友元彼とその周りに遊ばれて落ちていく話かと思ってたし、ゲスい気持ちで若干期待しながら見てたのね。心が薄汚れたおとなでごめん。

主人公はさっさと初体験しちゃいたい、ちょっとうぶな女子。なんだけど自分の初めてにふさわしい相手が見つからなくて、狭い世界でようやくいいかもって思ったのが親友の彼氏。かっこよくて若干遊び人ぽい。その彼氏は彼氏で親友の男関係の過去にうだってるという小心男子なんだけど。

で、ちょうどいいタイミングで親友とその男子が別れたので、気兼ねなく押していこうとする主人公。彼の家におしかけて、自分は実はビッチっぽい(から重くないよ、手出してこいや)アピールして構ってもらおうとする。

彼氏がほしいのかさっさと初体験しちゃいたいのかどっちなんだろうって思ってみてたけど、たぶんその両方に加えて、関係しちゃったらきっとステキな関係になれるって勘違いしてたのかも……?

10代にありがちなそんな幻想から突き進んじゃって、ついには、お目当ての相手どころか3人にまわされちゃうんでは……って緊迫したシーン。親友元彼はパンツをおろすと主人公に「でも、こいつはきみのこと好きじゃない」と一言。結局主人公はおうちに無事帰りましたとさ。

ええ、親友元彼いいやつやん。まあ彼は遊んでる女子が好きじゃないってのと、面倒なことがいやだったんだろうけど、それでもそこでちょろっといただいて遊んじゃおうってする男もいると思う。普通に。でもしなかった。当然といや当然かもだけど、女子の方がノリノリ(に見せてた)なんだから据え膳はいただいとこうって若い子は多いと思う。

そしてタイトルは「愛のように感じた」。彼への思いが焦りからなのか愛なのかわかんないけど、愛してる相手だから自分をもらってほしいんだきっと、って信じちゃう10代の複雑な気持ちをすごく上手に描いていた映画でした。おもしろかった。