今日マチ子『かみまち』上下巻を読む。
家出少女が泊めてくれる人を“神”とする歪んだ文化がネットを中心にあって、神を探している少女たちの状態を“神待ち”という。淫行などの絡みで近年社会問題になっているが、根底にあるのは家庭内の虐待である。なのに国は子育て世代に忖度しまくってテコ入れしない。しかも虐待されてた人たちがどうも家庭を持ってないことも多く、少子化の一因では……と勘ぐってしまう。データの上では被虐待児があたかも増えまくっているように見えるが、最も増えているのは心理虐待を受けて通報した件数であり、これは20年も前にあると“ただの躾”として闇に葬られていただけである。
さて。本作は母親の心理虐待に耐えかねて家出した15歳のウカが主人公。ウカは家出した先で同じく家出少女であるナギサ、アゲハ、ヨウと出会う。
ナギサは義父に性的虐待され続けており、優しく彼女を愛する母親も一度現場を見ていることから知っていたのに助けてはくれず、挙げ句母親はその義父の子どもを妊娠し妹誕生後にナギサは家出する。アゲハは元人気子役で、成長過程でたびたび性的に搾取されていくが、母親の事故死の後、恋仲になっていた家庭教師兼マネジャーであった男性に財産を全て奪われて路頭に迷い売春し始める。ヨウは大家族に育ち、家庭の杜撰な扱いから家出。ホームレスになっていた。そんな彼女たちが「神の家」にたどり着き共同生活を送り始めるが……。
地獄が地獄を呼ぶストーリーで、この手の鬱物語が大好物な私でも特にナギサの境遇の悲惨さには血の気が引いた。でもこれはリアルな話で、現実に同じような地獄を生きる少女たちは腐るほどいる。みんな見えてないだけで。そして知っても助けようとはしない。人生とはそんなものだと、彼女たちは知っている。
子どもたちにとって居心地の悪い家庭は家出した先よりも地獄。毒親は親になってはいけない人たちで、どうやったら予備軍に子どもを持たせないようにできるんだろうとずっと考えているけど、今の子どもを持ちづらい世の中は案外そういう風潮からの結果であって、子どもたちを不幸にさせないためには良い未来だったのかも?
虐待に手を染めない人は親になってほしいと切実に思う。想像するに親に向いてないタイプが結構生きづらいこの世の中で産まない選択をしているのはいいことだと思う。子育てに向かないと思ったその感覚は間違いないので絶対に持たないほうがいいと思うよ。その感覚、ぜひ大事に。無理して産まないでほしい。虐待しようなんて露ほども思ってなかった人ですら、子育てのあまりの大変さに心理虐待して自殺に追い込みまくってるという実情がある。遭遇した毒親たちは皆、とても神経質で神経過敏でヒステリックで何かに異様なこだわりがあり、大きな勘違いをしても思考の軌道修正ができない、でもIQに問題がない人たちだった。子どもは思い通りにならない存在。それがストレスになってしょうがない人は大なり小なりの心理虐待を与える可能性が非常に高く、あんたが大したことないと思ってても子どもたちには大ダメージになるので、そういう人は絶対子どもをもたないでほしい。お願いします。
そう、主人公ウカの母親はまさにそういうタイプである。子どもを産んで人生捧げたのに思い通りにいかないと嘆いて心理虐待を続けるのに、それが加害だとは気づいていないやばい人。鬼のような形相で描かれていたので、著者の憎しみが反映されているなと思ったけど、あとがきでは幸せな人生を送ってきたみたいなことが書かれていて意外だった。
登場人物たち4人の母親は全員問題ある母親だったけど、やっぱり特に悪魔だなと感じたのはナギサの母親。ああいうの、厳罰に処せないものだろうか。というか子どもが成人して家を出てからしか再婚は認めないとかそういう法律作ろうよ…あまりに義父に性的虐待されている人多いよ…母親たちも自分の恋愛感情とか金とかを優先して娘への虐待に目を瞑っていることが多いので、法律も変えてほしい。そういう母親は母ではない、ただの鬼です。人間ではない。
今日マチ子といえばラフなオシャレ絵でほんわかした作風じゃなかったっけ? と思って調べてたら、チェックしていないうちに戦争ものをいくつか描いているらしかった。
本作が非常に良かったので、他の作品で未読のものは読んでいきたい。
家出少女が泊めてくれる人を“神”とする歪んだ文化がネットを中心にあって、神を探している少女たちの状態を“神待ち”という。淫行などの絡みで近年社会問題になっているが、根底にあるのは家庭内の虐待である。なのに国は子育て世代に忖度しまくってテコ入れしない。しかも虐待されてた人たちがどうも家庭を持ってないことも多く、少子化の一因では……と勘ぐってしまう。データの上では被虐待児があたかも増えまくっているように見えるが、最も増えているのは心理虐待を受けて通報した件数であり、これは20年も前にあると“ただの躾”として闇に葬られていただけである。
さて。本作は母親の心理虐待に耐えかねて家出した15歳のウカが主人公。ウカは家出した先で同じく家出少女であるナギサ、アゲハ、ヨウと出会う。
ナギサは義父に性的虐待され続けており、優しく彼女を愛する母親も一度現場を見ていることから知っていたのに助けてはくれず、挙げ句母親はその義父の子どもを妊娠し妹誕生後にナギサは家出する。アゲハは元人気子役で、成長過程でたびたび性的に搾取されていくが、母親の事故死の後、恋仲になっていた家庭教師兼マネジャーであった男性に財産を全て奪われて路頭に迷い売春し始める。ヨウは大家族に育ち、家庭の杜撰な扱いから家出。ホームレスになっていた。そんな彼女たちが「神の家」にたどり着き共同生活を送り始めるが……。
地獄が地獄を呼ぶストーリーで、この手の鬱物語が大好物な私でも特にナギサの境遇の悲惨さには血の気が引いた。でもこれはリアルな話で、現実に同じような地獄を生きる少女たちは腐るほどいる。みんな見えてないだけで。そして知っても助けようとはしない。人生とはそんなものだと、彼女たちは知っている。
子どもたちにとって居心地の悪い家庭は家出した先よりも地獄。毒親は親になってはいけない人たちで、どうやったら予備軍に子どもを持たせないようにできるんだろうとずっと考えているけど、今の子どもを持ちづらい世の中は案外そういう風潮からの結果であって、子どもたちを不幸にさせないためには良い未来だったのかも?
虐待に手を染めない人は親になってほしいと切実に思う。想像するに親に向いてないタイプが結構生きづらいこの世の中で産まない選択をしているのはいいことだと思う。子育てに向かないと思ったその感覚は間違いないので絶対に持たないほうがいいと思うよ。その感覚、ぜひ大事に。無理して産まないでほしい。虐待しようなんて露ほども思ってなかった人ですら、子育てのあまりの大変さに心理虐待して自殺に追い込みまくってるという実情がある。遭遇した毒親たちは皆、とても神経質で神経過敏でヒステリックで何かに異様なこだわりがあり、大きな勘違いをしても思考の軌道修正ができない、でもIQに問題がない人たちだった。子どもは思い通りにならない存在。それがストレスになってしょうがない人は大なり小なりの心理虐待を与える可能性が非常に高く、あんたが大したことないと思ってても子どもたちには大ダメージになるので、そういう人は絶対子どもをもたないでほしい。お願いします。
そう、主人公ウカの母親はまさにそういうタイプである。子どもを産んで人生捧げたのに思い通りにいかないと嘆いて心理虐待を続けるのに、それが加害だとは気づいていないやばい人。鬼のような形相で描かれていたので、著者の憎しみが反映されているなと思ったけど、あとがきでは幸せな人生を送ってきたみたいなことが書かれていて意外だった。
登場人物たち4人の母親は全員問題ある母親だったけど、やっぱり特に悪魔だなと感じたのはナギサの母親。ああいうの、厳罰に処せないものだろうか。というか子どもが成人して家を出てからしか再婚は認めないとかそういう法律作ろうよ…あまりに義父に性的虐待されている人多いよ…母親たちも自分の恋愛感情とか金とかを優先して娘への虐待に目を瞑っていることが多いので、法律も変えてほしい。そういう母親は母ではない、ただの鬼です。人間ではない。
今日マチ子といえばラフなオシャレ絵でほんわかした作風じゃなかったっけ? と思って調べてたら、チェックしていないうちに戦争ものをいくつか描いているらしかった。
本作が非常に良かったので、他の作品で未読のものは読んでいきたい。